「史の会」(ふみのかい)とは
神奈川県立婦人総合センター・かながわ女性史編集委員会編著『夜明けの航跡―かながわ近代の女たち』
(ドメス出版、1987年刊)の編纂に際し、専門委員だった江刺昭子が大正期を担当したワーキンググループに呼びかけて、1988年10月に発足した女性史の研究会。代表は江刺昭子。
出発にあたり、神奈川の近・現代女性史の研究を目的に、女の目と地域の目で、あたりまえの女たちを対象に、そして何よりも女性解放の視点を大切にすることを共通認識として確認。会員各自がテーマにそって調査、研究したものを小論文にまとめ、研究誌に発表することを目標に掲げた。毎月第3木曜日に神奈川県立婦人総合センター(→神奈川県立かながわ女性センター→かなテラスと改称)で例会を開き、資料収集や取材の学習を重ねながら、研究の進行状況の報告、話しあいを積みあげる集団学習方式。活動記録を残すために毎回『史の会通信』を発行し、2020年12月現在、381号に達している。
研究誌などを刊行しながら、シンポジウムと県内の女性史研究グループとの交流会を開催し、神奈川県内の女性史研究の普及拡大に努めている。
※ 江刺昭子へのお問い合わせは、esashi-o☆yg7.so-net.ne.jp へお願いします
(☆印を@に変えて送信してください)
NEW『史の会研究誌 ~未来へ、伝え続ける~ 第7号』を刊行しました
2024年2月10日刊行 編集・史の会 発行責任 江刺昭子 B5判 187ページ
頒布価格 1500円+送料
神奈川県の女性史編纂に集った歴史好き14人で1988年10月に発会した当会は、2023年に満
35年を迎えました。本号は、現会員7人それぞれの関心から、6号に続き人物を中心テーマに、「人
物篇」として聞き書き1編、評伝4編にまとめ、さらに「実証篇」と「資料篇」を加えています。
【人物篇】
聞き書き 「渾大防一枝 ―戦争の愚かさを演劇や朗読で伝える―」
評 伝 「『女流作家』美川きよ ―自分を信じて強く生きぬく―」
「小学校教師から横浜市の女性行政へ ―篠田登美江のあゆみ―」
「関千枝子、いつも問題意識を抱えて」
「輝いて生きよう!篠原欣子 ―人材派遣事業の先駆けから社会貢献活動へ―」
「『市民参加』理念の具現化を追求した宇津木朋子 ―自分で考え、自分で行動する
女性として」
【実証篇】 「新生横須賀婦人会 ―日本一といわれた婦人会の活動―」
「特別寄稿 逗子と女子学徒勤労動員」
【資料篇】 かながわ女性史研究会HP紹介
インターネットで見られる『史の会研究誌』
史の会の歩み
インターネットで見られる『時代を拓いた女たち』資料
ミニ評伝集『時代を拓いた女たち』全3冊
※購読ご希望の方は下記のいずれかでお願いします
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② 当サイトより お問い合わせ送信フォームへ
③ 郵便振込:振込用紙で 口座記号番号00220-2-55394 史の会 宛
1,810円(本代1,500円と送料310円)をお振込みいただければ郵送いたします。
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NEW 2024年4月
『史の会研究誌 第7号』人物篇評伝「関千枝子、 いつも問題意
識を抱えて」(江刺昭子)が、新たな追悼冊子になりました。
江刺昭子・堀池美帆『関千枝子の足跡を追って』
(編集 大住広人、制作 福島清)
関千枝子さん(1932~2021)と親しかった毎日新聞OBの
大住広人さん、福島清さん、「ヒロシマ通信」を2600号以上
も続けている竹内良男さんらが、もっとおおぜいの人に読ん
で欲しいと思われて、堀池美帆さんの「ブログ『関千枝子さ
んの記録』」(Amebaブログ版 note版)と併せて95ペー
ジの冊子になりました。
堀池さんは10年以上も関さんのフィールドワークについて
行って撮影した映像とそのURL、彼女の文章からなってい
ます。原爆語り部の貴重な後継者です。 (江刺昭子)
※『関千枝子さんの足跡を追って』をご希望の方は、
福島清さん misuzuya☆jcom.zaqne.jp まで
(☆を@に変えて送信してください)
※ 竹内良男さんについて
中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンターHP 2020年12月28日付
「ヒロシマ通信」の配信(無料)をご希望の方は、
こちらからお申込みください → qq2g2vddhos☆vanilla.ocn.ne.jp
(☆を@に変えて送信してください)
2022年10月
神奈川ゆかりの女性354人のミニ評伝集『時代を拓いた女たち』第Ⅰ集~第Ⅲ集の
(江刺昭子+史の会編著、Ⅲ集は江刺昭子+かながわ女性史研究会編著)
関係資料 全3086点(Ⅰ集 131人1110点、Ⅱ集 111人921点、Ⅲ集 112人1055点)を
国立女性教育会館(NWEC National Women’s Education Center 通称 「ヌエック」 )の
女性アーカイブセンターに寄贈しました
★寄贈に至るまでの経緯を、当サイト「時代を拓いた女たち』第Ⅰ集・第Ⅱ集について」でご覧ください★
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2024年2月
2022年に国立女性教育会館へ寄贈した
『時代を拓いた女たち』Ⅰ~Ⅲ集関係資料の目録がすべて
資料群46 史の会資料 として
同館HPの 女性アーカイブセンター資料群一覧ページ に公開されました
同センターでは所蔵資料の全目録情報をネット公開しています(一部デジタル画像も)
NEW
『神奈川新聞』自由の声
2024年4月24日付
「女性史資料、
地元から流出」
*1988年10月 史の会発会
*1989年6月~
神奈川県女性史後編の編纂に参加
創刊号『史の会研究誌 ―大正の響きをきく』
1991年8月、『史の会研究誌』第1号を刊行。B5判211ページに論考14本所収。
大正期を共通テーマにした論文名は、「未知なる世界=フェリス和英女学校に集まった少女たち」、「ますら男ならぬ女とて―横須賀高女の初期の教育」、「自己と時代に目覚め、使命に生きた女たち―横須賀市小学校女教員会について」、「大正期の中等教育を担った実業補習学校―高座郡を中心に」、「皇国の母たちの少女時代―鎌倉郡の処女会」、「県内生活改善運動の実態」、「罪深き女なれども―「新しい女」の姑斬り事件」、「『横浜貿易新報』にみる大正期―目覚めと社会通念のはざま」、「白金の途を選んだ小鳥―断髪洋装の作家・大橋房」、「雷婆さんと呼ばれても―二宮わかと安次の社会事業」、「女たちの軍事援護活動―渡辺たまを中心に」、「富士瓦斯紡績保土ヶ谷工場で働いた女性たち」、「大正期・神奈川県における自殺者の動向」、「大正期『横浜貿易新報』にみる神奈川の娼妓たち」。いずれも、これまで取りあげられていないテーマに取り組んだ。足で歩いて資料を探し、人に会う。手間暇を惜しまないことを厳しく課した結果の力作である。
*1992年11月~
『共生への航路 ~かながわの女たち'45~'90』刊行記念シンポジウム
第2号『史の会研究誌 ~時代のうねりを見つめて~』
1993年10月刊行。B5判276ページに論考13本所収。
「フェリスにおける天皇制」、「横浜市域における実業補習学校」、「女教員会のゴッドマザー―石川ふさの生涯」、「横須賀の実科高等女学校―田浦実科高女を中心に」、「『女学世界』に咲いた花―内藤千代子について」、「モザイクの海へ―大橋房の作品について」、「あなたは・たとえば・大輪のカトレア―『痴人の愛』ナオミのモデル 小林せい子の虚像と実像」、「港の別れ―横浜時代の福田英子」、「神奈川の青鞜社・新婦人協会員―付録・岩淵百合小伝」、「横浜の初期看護婦養成」、「根岸の丘の赤病院―横浜婦人慈善会を支えた女性たち」、「『神奈川新聞』にみる女性の動き―太平洋戦争開戦前夜」、「明治前期新聞にみる神奈川の娼妓たち―解放への途いまだ遠く」。
*1994年3月
史の会シンポジウムと女性史グループとの交流会
第3号『史の会研究誌 ~時代の目覚めをよむ~』
1996年7月刊行。B5判276ページに論考10本所収。
「女による 女のための活動―横浜婦人矯風会の五〇年」、「時代に目覚めハマに集った女たち―横浜市小学校女教員会について」、「笛は吹かれたが…―大正期における県内生活改善運動の実態」、「紅蓼の花のすがしさ 菊池ミツ―女性解放運動から平和運動へ」、「横浜ベル・エポックの女 北林余志子」、「神奈川の文学に見る学校風景」、「『性の奴隷』解放への闘いと苦悩と―神奈川県廃娼運動の史的考察」、「縁かがりで綴った一二〇年―横浜スカーフの歴史を支えた女たち」、「女性の政治参加―藤沢市の戦後一〇年」、「二〇世紀を学ぶ中学生―イギリスの歴史教育」、「史の会のあゆみ」。
*1997年3月
史の会シンポジウムと交流会
*1998年9月
「第7回全国女性史研究交流のつどい in かながわ ―新ミレニアムへの伝言」をかながわ女
性センター(以下、女性センター)で開催、実行委員・事務局として参加
*1998年11月
「女性団体自主講座」3回連続開催、テーマは「老い」
*2000年~
女性センターに女性史資料室設置を要請、資料について学ぶ講座を開催
第4号『史の会研究誌 ~女たちの物語を再生する~』
2001年2月刊行。B5判248ページに論考10本所収。
「基地に生きる女性たち―横浜・横須賀の基地と買売春」、「花嫁道具はボロとつけもの石―横浜の『大陸の花嫁』訓練所」、「しなやかに そして たくましく―草分けの女性洋画家・亀高文子の生涯」、「アレキサンドライトの呪縛を越えて―女優・衣川孔雀小伝」、「神奈川に見る女医の軌跡」、「繭と生糸に働く女性たち―高座郡に見る養蚕・製糸業」、「婦選獲得同盟と神奈川県―付録 大内光枝小伝」、「不屈の求道者・溝上泰子」、「地域女性史編纂の問題点―『千代田区女性史』を編纂して」、「歌人 杉浦翠子に関する新事実」。
*2001年7月
女と男、共に拓く地域の歴史―研究発表と地域女性史交流会
*2001年8月
「第8回全国女性史研究交流のつどい・岐阜」に参加(以後、毎回)
*2002年9月~
女性センターの移転問題が起こり、センター図書館の蔵書の散逸を防ぐため、県、女性セン
ターに働きかけ
江刺昭子+史の会編著『時代を拓いた女たち―かながわの131人』
2005年4月、神奈川新聞社より刊行。四六判300ページ。
神奈川県の女をテーマに研究活動を続けながら気になったのは、既刊の出版物にあまりにも女の視点が欠落していることだ。『神奈川県史別巻 人物編』を例にとると、取りあげられている人物4470人中女は146人、3.6%にすぎない。その半分は前近代の人で、近現代の70数人も中央での活躍で有名な人がほとんど。それなのに孝女節婦が入っている不思議な人選。
そこで、これまで史の会が積みあげてきた研究成果をもとに神奈川女性人物事典を出版することとし、2001年からカード作りを開始。できるだけ広い分野、県内全体に目配りしながら700人余のカードを作成。その中から、近代の神奈川県で成育し、学び、なんらかの社会活動をし、一定の影響力のあった人131人を選び、対象人物の生涯を簡潔にまとめ、時代の中での位置づけを明らかにし、エピソードや写真も入れて文章化。例会でそれぞれの原稿について繰り返し意見交換、文章を練りながら書きあげたミニ評伝集。
収録人物=秋元松代・浅見ハナ・足立原マサ・厚木たか・吾妻光・阿部クニ・阿部ケイ・五十嵐ハル・石川ふさ・石阪美那子・石渡満子・伊東静江・伊藤銓子・伊藤野枝・稲垣きくの・稲垣寿恵子・井上房江・岩崎春子・岩淵百合・ヴァンペテン カロライン・薄井こと・梅田ナカ・梅津はぎ子・江口章子・江守節子・大館可免・大野英子・大橋シゲ・岡野貴美子・岡本かの子・岡本花子・奥津久恵・小倉ミチヨ・小倉遊亀・長田かな子・小沢路子・風戸須賀・加藤梅子・神近市子・川喜田かしこ・川崎弘子・川田定子・菊池ミツ・岸田俊子・キダー メアリー・北畠八穂・北林余志子・衣川孔雀・桐山イソ・久保田寿枝・黒川フジ・小林礼子・衣川舜子・榊原ツマ・坂倉スミ・桜井キン・ささきふさ・佐々城信子・颯田本真・佐藤美子・沢田美喜・朱絃舎浜子・城ノブ・杉田鶴子・鈴木ビアトリス・須田開代子・積しな・高木鐸・高田敏子・高松ミキ・竹腰美代子・辰巳浜子・丹波美佐尾・千葉キク子・土田康・土志田和枝・中里恒子・中根澄子・新名百刀・二宮ワカ・野沢節子・パヴロバ エリアナ・萩原タケ・朴敬元・長谷川時雨・林喜代子・林貞子・葉山ふゆ子・葉山三千子・早見一十一・原モト・ピアソン ルイス・平塚らいてう・平沼千代子・平野恒子・広津桃子・フィンチ エステラ・深沢淑子・福田英子・星野立子・牧野よし・真杉静枝・松尾トシ子・松川サク・馬淵テフ子・丸エキ・美空ひばり・宮本せつ子・村井米子・メール マチルド・望月たか子・籾山サク・森律子・諸節トミエ・山川菊栄・山口スエ子・山口富美子・山田千代・山田わか・山本コマツ・山本安英・湯本アサ・養老静江・横川楳子・吉田セイ・吉野登美子・吉屋信子・若松賤子・渡辺たま・渡辺はま子・和辻照
*2005年4月
『時代を拓いた女たち―かながわの131人』第Ⅰ集出版記念会
*2008年1月~
『神奈川新聞』で「魅せた!かながわの女―史の会が描く群像」連載開始(~2010年2月)
*2008年6月~
蔵書の保護、アーカイブ設置を求める署名活動、県議会への陳情など
*2009年2月
女性センターにアーカイブ設置を求める署名簿を県に提出
*2009年10月
「地域女性史交流会 in かながわ―鎌倉・厚木・小田原の女性史刊行を記念して」を開催
江刺昭子+史の会編著『時代を拓いた女たち―かながわの111人』(第Ⅱ集)
2011年6月、神奈川新聞社より刊行。四六判270ページ
『時代を拓いた女たち―かながわの131人―』刊行後、『神奈川新聞』に連載が決まり、同じ方法で新たに100人について執筆し、2008年1月から2010年2月まで週1回掲載。これに加筆して、『時代を拓いた女たち―かながわの111人―』(第Ⅱ集)として刊行した。
収録人物=秋間為子・浅野サク・浅葉スミ・飯沼フジ・井口小夜子・石川すず・石川雪・石橋志う・市野キミ・上原とめ・大江美智子・太田静子・大藤ゆき・大村はま・小笠原のぶを・小川玉子・沖津くら・お龍・賀川ハル・片岡球子・亀高文子・川上喜久子・川西多鶴子・河原操子・カンヴァース クララ・キクヤマタ・岸田麗子・草山朝子・葛生志ん・久保田真苗・ゲイマー康子・九重年支子・小桜葉子・小谷喜美・小南ミヨ子・坂井泉水・榊原千代・坂西志保・指田静・佐藤金代・佐藤哲・沢村貞子・ザンダー ヘレン・四賀光子・芝山みよか・島崎静子・清水きん・荘司福・杉原幸子・鈴鹿俊子・鈴木トヨ・鈴木ナカ・鈴木芳如・鈴木ルリ子・高木君・高杉幸子・高橋展子・田口安起子・武田百合子・田中絹代・田中君枝・田沼志ん・田村俊子・藤間身加栄・時田田鶴・土光登美・所美都子・十時延子・ドレーパー シャーロッテ・内藤千代子・中倉千鶴子・中村キヌ・中村テル・七々扇小橘・新妻伊都子・西川千代・野村ミチ・ハジス オリブ・久野タマ・尾藤朋子・平岡静子・平野藤・富貴楼お倉・ブリテン ハリエット・古屋満寿・紅沢葉子・ベルトラメリ能子・星野あい・本多マサヲ・牧羊子・松島彜・三浦澄子・三角錫子・溝上泰子・三淵嘉子・三村千代子・三宅春恵・宮地淳子・陸奥イソ・村木キヨ・室原富子・望月富士子・森田美知子・八木橋きい・安井かずみ・山川えん・山口小夜子・山代巴・山田寿子・与謝野晶子・渡辺幽香
*2011年6月
『時代を拓いた女たちーかながわの111人』第Ⅱ集出版記念シンポジウム
*2012年8月
センター図書館に『時代を拓いた女たち』Ⅰ・Ⅱ集の資料受け入れが決まり、リスト作成開
始→14年8月、資料と電子データ目録を寄贈
*2013年~14年
女性センターの移転が決まり、蔵書の散逸を防ぐための交渉を重ねる(→15年、女性セン
ターは規模を大幅に縮小して藤沢市鵠沼の県合同庁舎の1フロアに、図書館は横浜市西区紅
葉ケ丘の県立図書館に移転)
第5号『史の会研究誌 ~「武相の若草」を読む~』
2016年5月20日刊行 編集・史の会 発行責任 江刺昭子 B5判 275ページ
頒布価格 1500円+送料
『武相の若草』は、神奈川県男女青年団連合会の機関誌で、1924年から38年まで167冊刊行されている。戦前の社会教育を研究するには欠かせない第1級資料。これを読み込み、女子青年に焦点をあてて分析した。半官半民の青年団は、上からの押し付けをそのまま実行した戦争協力団体とするのが通説だが、必ずしもそうとはいえず、文芸に力を入れたことで、ごく普通の農村女子が驚くほど豊かな自己表現をしている。しかし、ファシズムが進行するとともに萎縮、変容していくのが裏付けられる。
内容は以下。
『武相の若草』発行年月日、神奈川県・郡・市・町・村地図(中積治子)、「『武相の若草』167冊を概観する」、「神奈川県連合女子青年会の誕生とその後の活動」、「高座郡における処女会・女子青年会の活動」「寄稿・投稿に見る期待される女子青年像」、「文芸欄に見る農村女子の暮らしと思い」、「女性公務員の先駆け―井上常子と女子青年会」、「女子青年会指導者から花嫁学校経営へ―原モトの軌跡」、「『武相の若草』会況欄年表」「史料紹介 ささきふさ(大橋房)の書簡及び学生時代の作文など」、「史の会27年のあゆみ」、「地域女性史アーカイブス設置を求めて―史の会の活動を中心に」。
江刺昭子+かながわ女性史研究会編著
『時代を拓いた女たち―かながわの112人』(第Ⅲ集)
2019年7月26日 神奈川新聞社より刊行 四六判284ページ
『時代を拓いた女たち』1集(2006年)・Ⅱ集(2011年)に続き第Ⅲ集を刊行するため、異動のあった史の会会員に新しく歴史学の専門家と神奈川の近現代女性史を研究する市民が加わり、16年に「かながわ女性史研究会」を立ち上げました。112人のうち10人は、『神奈川新聞』に18年1月から19年3月まで連載されたものに加筆しました(当サイト 新聞版「時代を拓いた女たち」へ)
収録人物=足立原つる・足立原美枝子・天野八重・池田重子・石川ハナ・市川康子・井上常子・入江麻木・
岩本えり子・江見絹子・遠藤キン・大石尚子・大久保さわ子・大沢サダ・大沢りう・大島富士子・大槻勲子・大森文子・岡本弥寿子・小黒恵子・小沢章子・勝又喜美子・加藤豊世・金森トシエ・兼高かおる・加納美紀代・樹木希林・城戸順・桐竹智恵子・楠目ちづ・黒川万千代・郷静子・合田佐和子・小林フミ子・米須美恵・コンウォール・リー メアリー・近藤いね子・坂本真琴・佐々木晴子・佐竹くま子・佐藤治子・志熊敦子・篠原あや・下田栄子・生野文子・白石敬子・菅寿子・菅原絹枝・門倉嵯峨・関淑子・相馬黒光・相馬翠・征矢泰子・高崎節子・高田喜佐・高橋たか子・田崎泰子・田中参・田村総・塚本なか子・壺田花子・遠山美枝子・徳沢隆枝・戸倉ヤマ・戸塚文子・富田レイ・名倉淑子・根岸春江・野沢富美子・長谷川栄・長谷川トリ・浜田イシ・浜田糸衛・林京子・端山慶子・原節子・バラ(ベントン)リディア・比企キヨ・菱川ヤス・日野綾子・福井桂子・古谷糸子・ヘボン クララ・堀文子・本田玉江・本田ナミ・松岡鎮枝・マッカーシ ノブ・松方珠英・松坂はな・松崎浜子・松田瓊子・松本喜美子・馬淵和子・三岸節子・聖園テレジア・三宅節子・宮下操・村井多嘉子・毛利道・本居若葉・盛キヨ子・森田愛子・森秀子・門馬千代・山口定子・山田順子・吉野ゆりえ・吉野りう・米原万里・若山美子・渡辺道子
本書について、くわしくは当サイト『時代を拓いた女たち 第Ⅲ集 かながわの112人』ページでご覧ください。
第6号『史の会研究誌 ~振り返りつつ、今をよむ~』
2020年7月21日刊行 編集・史の会 発行責任 江刺昭子 B5判 186ページ
頒布価格 1500円+送料
本号は人物特集で、聞き書き4編、評伝6編にまとめた。かつて神奈川県は、女性政策のトップランナーと言われた。1975年の国際女性年をきっかけに、他県に先駆けて女性プランを策定し、女性センターを建設、県レベルで初めての女性史を編纂した。その編纂に関わった者たち14人が史の会を作り、共同で研究活動を始めたのが88年。出発の場を用意してくれた関係者からの聞き書きや評伝で、改めて県の女性政策を検証した。また、現会員6人が女性史との出会いから現在までを「女性史とわたし」で振り返った。
【聞き書き】 小野 静枝 「横浜の大空襲を記録し、のちの世に伝える」
室谷 千英 「神奈川県の女性政策を担う」
嶋田 昌子 「活動の始まりは本牧の海から」
岡江 照子 「かながわ女性センターで生涯学習を担う」
【評伝】 「高松ミキと座間村女子青年会の活動 ―『熱と愛』で駆け抜けた10年―」
「横浜のベル・エポックの時代を生きる ―西川千代の足跡―」
「金森トシエが求めた男女平等社会 ―ジャーナリストとして、行政官として―」
「能楽師富山禮子の世界 ―女性能楽師の歴史を切り拓く―」
「西條節子の華麗な『終活』 ―学び・創り・住む」
「牧野薊と牧野家の女たち ―横浜開港以来の国際派一族―」
【女性史とわたし】
「追想 若木千賀子さん」 三須 宏子
「『解』」を求めて」 伊藤 めぐみ
「歴史の海を泳ぎながら」 江刺 昭子
「躓きながら紡ぎながら」 影山 澄江
「横浜を拠点として」 中積 治子
「女性史としてみるファミリーヒストリー」 三須 宏子
「スタートはPTA活動」 安井 恵子
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当日の報告 史の会代表 江刺昭子
2020年12月16日(水)、史の会主催・かながわ女性史研究会共催で、『史の会研究誌』第6号発刊記念シンポジウム「神奈川の女性の明日を拓く」を横浜市開港記念会館で開催しました。
パンデミックで日々の暮らし、働き方、市民活動などで、さまざまな問題が表面化するなか、この閉塞状況をどう切り拓くか、歴史を振り返りながら考えようという企画です。予約申込みは106人でしたが、直前の感染拡大からキャンセルが相次ぎ、参加者は89人。感染防止策を徹底しつつ、参加グループが出版した書籍・冊子計20冊の販売所も設け、盛会でした。あちらこちらで、「久しぶり」という声が交叉し、やはり対面はいいなあというのが、率直な感想です。
第1部はシンポジウムで、パネリストは元神奈川県副知事の室谷千英さんと、横浜の市民活動家の嶋田昌子さん。コーディネーターは江刺昭子。
室谷さんは、1975年の国際女性年前後から関わった県の女性政策について、嶋田さんはほぼ同時期に横浜市で中区女性フォーラムを立ち上げ横浜シティガイド協会などを育てた経験から得た知見を語り、江刺は女性問題が熱かったその時代に出発した史の会の32年を重ねて、それぞれの立ち位置を確認。主な論点を書き留めておきます。
① 女性だけでなく「男の子も入れてあげる」発想で、シティガイド協会を運営してきた
嶋田さんから、男女混合のほうが長続きするのではないかという提案。といっても女性問題とは何をなすべきかから議論を始めた初期の時代には「女性」を前に出す必要があったと室谷さん。ただ、今は男性も生きづらさを抱えている時代だから、男性も巻き込みながら、共同して問題の解決に向かうのがいいが、さて、どうするか。
② 嶋田さんは、シティガイド協会を立ち上げたときの理念として3つを挙げた。学ぶこと
と活動することが車の両輪で、単なる観光ガイドではないこと、政治には距離をおくこと、当初は行政から補助金をもらったが、行政と対等の関係を保ちつつ、自立するために法人にして名称も協会としたこと。なるほどと納得させられる。集う場所の確保の大切さも強調したが、それは史の会にとっても切実な問題。かながわ女性センターは2015年に8分の1に縮小移転し、史の会は活動拠点を失ったままである。また、市民活動が自立するためには有償ボランティアにして、会の蓄えを持っておくのがいいという。
③ ボランティアといえば無償のイメージが強い。明治以来の性別役割分担で女性は家庭
で育児や介護を無償で担い、慈善活動も主に女性が無償でしてきたという歴史がある。それが、現在も女性が圧倒的に多いケア労働の賃金が安いことにつながっているのではないかという江刺の指摘に、医療法人の理事である室谷さんから、251床の病院で看護師や介護士など女性が80%を担っている。医師と看護師の格差は少し縮まったが、介護士やホームヘルパーや検査技師は今も低いまま。女性を大切にしないと病院がまわっていかないという現状が話された。
④ この現状を変えるには、どうしたらいいか。女性知事が2人、市区町村の女性首長も少
ないのが実態で、国のリーダー、組織のリーダーに生活者の意識、多様性を兼ね具えた女性に人材を求めるべきだという室谷さんの話で締め括った。
第2部は、神奈川県内の各地域で地域女性史の学習・研究活動をしている9グループ(1グループは読書会)が、それぞれ会の成り立ちや活動状況を報告した。かまくら女性史の会・グループ江藍・さがみ女性史研究会「さねさし」、女性史に学ぶ会、萌黄の会、山口美代子聞き書きの会、かながわ女性史研究会・史の会の順(報告書、各団体書籍販売については、当サイト 神奈川の女性史関連グループ ページ参照)。
最後に地域女性史研究会代表の折井美耶子さんから講評と地域女性史研究の現状報告があった。
―史の会代表 江刺昭子
『史の会研究誌』第6号発刊記念シンポジウム「神奈川の女性の明日を拓く」報告
日時:12月16日(水) 13:00(開場12:30)~16:30
会場:横浜市開港記念会館 HPトップ 中区HPへ (横浜市中区本町1-6 電話 045-201-0708) ≪プログラム≫
第1部 講演とシンポジウム
パネリスト 嶋田昌子氏 室谷千英氏 コーディネーター 江刺昭子(史の会代表)
第2部 グループ報告会
主催:史の会 共催:かながわ女性史研究会 くわしくは、チラシをごらんください⤴
*2021年11月
「地域女性史研究会第16回例会<神奈川>」を、地域女性史研究会主催・史の会とかまく
ら女性史の会共催で横浜男女共同参画センター(戸塚)にて開催
詳しくは、 当サイト当該ページ でご覧ください
*2022年10月
地域女性史の資料として初めて、『時代を拓いた女たち』3冊の執筆に用いた資料3千
点余をNWEC(国立女性教育会館)女性アーカイブセンターに寄贈
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NEW 第7号『史の会研究誌 ~未来へ、伝え続ける~』
2024年2月10日刊行 編集・史の会 発行責任 江刺昭子 B5判 187ページ
頒布価格 1500円+送料
神奈川県の女性史編纂に集った歴史好き14人で1988年10月に発会した当会は、2023年に満35年を迎えた。本号は、現会員7人それぞれの関心から、6号に続き人物を中心テーマに、「人物篇」として聞き書き1編、評伝4編にまとめ、さらに「実証篇」と「資料篇」を加えた。
【人物篇】
聞き書き 「渾大防一枝 ―戦争の愚かさを演劇や朗読で伝える―」
評 伝 「『女流作家』美川きよ ―自分を信じて強く生きぬく―」
「小学校教師から横浜市の女性行政へ ―篠田登美江のあゆみ―」
「関千枝子、いつも問題意識を抱えて」
「輝いて生きよう!篠原欣子 ―人材派遣事業の先駆けから社会貢献活動へ―」
「『市民参加』理念の具現化を追求した宇津木朋子 ―自分で考え、自分で行動する
女性として」
【実証篇】 「新生横須賀婦人会 ―日本一といわれた婦人会の活動―」
「特別寄稿 逗子と女子学徒勤労動員」
【資料篇】 かながわ女性史研究会HP紹介
インターネットで見られる『史の会研究誌』
史の会の歩み
インターネットで見られる『時代を拓いた女たち』資料
ミニ評伝集『時代を拓いた女たち』全3冊
※購読ご希望の方は下記のいずれかでお願いします
① e-mail: esashi-o☆yg7.so-net.ne.jp (☆印を@に変えて送信してください)
② 当サイトより お問い合わせ送信フォームへ
③ 郵便振込:振込用紙で 口座記号番号00220-2-55394 史の会 宛
1810円(本代1,500円と送料310円)をお振込みいただければ郵送いたします。
☆『史の会研究誌』は、インターネットでご覧いただけます
2013年5月、NPO法人「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」のサイト上にミニコミ電子図書館が開設されました。日本のフェミニズムを草の根で支えた紙媒体のミニコミ誌を電子化することで、世界中のどこでも、いつでも、誰でも自由に見ることができます。ネット上に女性問題や女性史の書庫ができたということになります。史の会も研究誌1号から4号をアーカイブ化し、ミニコミ電子図書館に収蔵してもらいました。閲覧を希望する方は、以下にアクセスしてください。
認定NPO法人「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」→「史の会研究誌」ページ ☜ クリックしてください
☆『時代を拓いた女たち』Ⅰ~Ⅲ集の資料は
2022年10月に国立女性教育会館(NWEC ヌエック 埼玉県比企郡嵐山町菅谷782)に寄贈しました
NEW
☆2024年2月
Ⅰ~Ⅲ集すべての資料目録が
同館HP女性アーカイブセンターデジタルアーカイブページで検索できるようになりました
こちらから開いて、最新の「資料群46 史の会資料」をご覧ください
「史の会」では、「『時代を拓いた女たち』Ⅰ、Ⅱ集の執筆に用いた資料を、2014年8月、神奈川県立かながわ女性センター図書館に寄贈しました。女に関する文字資料は少なく、長い時間をかけた地道な調査が必要です。著名ではない人物を多くとりあげた『時代を拓いた…』執筆にあたって、会員は関係者に取材したり、資料の提供をしていただくなど苦労をしました。そうして集めた資料を次世代の研究者に引き継ぐために、242人分の資料を同一基準で整理したリストをデータ化し、女性センターに寄贈しました。しかし、県の財政難等を理由にかながわ女性センターは8分の1に縮小、移転しました。これに伴い、寄贈資料は横浜市西区の神奈川県立図書館「女性関連資料室」に移管されましたが、未公開のままでした。話しあいの結果、2016年3月、かながわ女性センターの後身であるかなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)に再移管されました。
2023年10月2日追記
史の会代表の江刺昭子は、2017年度から国立女性教育会館女性アーカイブセンターの資料選定委員を委嘱されており、18年度の委員会の折に、情報課担当者から地域史料の受け入れを検討してもいいとの発言があったことから、19年8月の委員会に、かなテラスに寄贈した「史の会資料」の紙目録データ(約400ページ)とデジタル目録データを持参し検討を依頼しました。
20年1月の委員会では、委員から反対は出ませんでしたが、担当者から他に地域女性史の資料寄贈の希望がどれくらいあるか知りたいと、保留になりました。
20年9月、地域女性史研究会の会報第22号に寄贈希望についてのアンケートを同封してもらった結果、希望は史の会のほかに2件だけでした。
21年2月の委員会での検討では3件とも保留になり、その後はNWECの担当者とそれぞれ交渉を進めました。
「史の会資料」は、かなテラスに預けて5年が過ぎ、館長らと話しあった結果、ほとんど閲覧者がいないことから、できれば引き取ってほしいとの要望だったので、これを担当者に伝えました。
22年3月、3回目の検討で、史の会でNWECのフォーマットに従って再整理するということで受け入れが決まりました。
22年10月、江刺昭子+史の会編著『時代を拓いた女たち』第Ⅰ集~第Ⅲ集(Ⅲ集は、江刺昭子+かながわ女性史研究会編著)あわせて354人のミニ評伝関係資料全3086点(Ⅰ集131人1110点、Ⅱ集111人921点、Ⅲ集112人1055点)をNWECの女性アーカイブセンターに寄贈しました。
江刺昭子「地域女性史資料の保存について ―「史の会資料」をNWECに寄贈―」より要約
ー『地域女性史研究会会報』第29号(2023年2月8日発行)寄稿 ー
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「史の会資料」が、国立女性教育会館へ寄贈されるまでのくわしい経緯は
当サイト『時代を拓いた女たち』第Ⅰ集・第Ⅱ集についてページでご覧ください
かながわ女性史研究会
私たちは歴史学の専門家と県内の女
性史を研究する市民の集まりです。
当会代表の江刺昭子+史の会編著で
神奈川新聞社より刊行された『時代
を拓いた女たち』第Ⅰ集・第Ⅱ集
に続く第Ⅲ集を2019年に刊行しまし
た(江刺昭子+かながわ女性史研究会編
著)。
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